Change of Life  

50代の休職体験記

行き止まりのレール

ある冬の日、診察室にて

「先生、少し休んだほうがいいでしょうか?…というか、休みたい…」

『…そうですね、そうした方がいいかもしれませんね』

息を吸うのを忘れていた、深呼吸、深呼吸。

「1ヶ月くらい…」

『それでは焦ってしまうので、3ヶ月にしましょう。診断書を準備しますね』

安堵した気持ちと、踏み出してしまったという恐れと、相反する感覚が混ざりあってマーブル模様になったその感情は何と言うのでしょうか。わからないまま私は頭を下げていました。

 


自己紹介

はじめまして。

私は現在、メンタル不調によって会社を休職している50代男性です。

これから、休職に至るまでの経過や周囲の反応、また実際に休んでみての日常や考えていることなどを綴っていきたいと思いますが、その目的は2つあります。

1つ目は、自分の頭の中を可視化すること。今の体調であったり今後の生活のことであったり、さまざまな事柄を脳内だけで考えていると、堂々巡りになり、ときに悲観的、ときに視野が狭くもなります。そうしたモヤモヤを、文章という形でアウトプットして思考と感情を整理するのが必要だと感じています。

2つ目は、体調やキャリアについて似た悩みを感じている同年代(40代50代)の方に、少しでも参考にしてもらえればという思いです。アウトプットなら日記でも書いとけという話ですが、私自身も他の方の体験談などに救われたことがありましたので、微力でもお役に立てればという動機ですね。

Youtubeなど他のメディアで発信する選択肢もありますが、地味に文章を書くのがいちばん性に合っているので、こういう形を選んでいます。

 

冒頭のシーンは、受診しているメンタルクリニックの主治医に自分の率直な気持ちを伝え、初めて病欠のための診断書が出たときのやり取りです。

人生は今後どうなっていくかわからない。でも今のレールに乗ったまま進むと、行き止まりになる感覚だけはリアルに感じていた私から、「休みたい」という言葉が出た瞬間ですね。

最初の一歩のお話でした。

次回からは、少し具体的に、休職に至るまでの経緯なんかも書いていこうと思います。